Manners & Etiquette

気持ちよくプレーするために。
ピックルボールのマナー

ピックルボールは世界で最も急速に成長するスポーツのひとつですが、その人気の理由は技術だけではありません。 互いを尊重し、誰もが楽しめる場をつくる文化(コミュニティー性)が、このスポーツを特別なものにしています。 コートの内外で守りたいマナーを、日本・海外の基準をもとにまとめました。

リスペクト
相手・コート・施設すべてを敬う姿勢
フェアプレー
正直なジャッジと誠実なプレー
セーフティ
自分も相手も安全にプレーできる環境
楽しむ
全員が笑顔でコートを離れられること
Spirit of the Game

ピックルボールの精神

ピックルボールは1965年にアメリカで生まれた際から、「誰でも、どの年代でも、一緒に楽しめる」ことを理念に掲げてきました。テニス・バドミントン・卓球の要素を組み合わせたこのスポーツは、競技性と社交性が高いレベルで共存しているのが大きな特徴です。

USA Pickleball(全米ピックルボール協会)はその公式ガイドの冒頭で、「このスポーツはその誕生から、勝利と敗北への潔さ・フェアプレー・互いへの敬意という倫理を体現してきた」と明記しています。

一般社団法人日本ピックルボール協会(JPA)も同様に、「誰もが気持ちよくプレーできる環境づくり」を推奨マナーの根本に据えています。技術レベルや年齢・性別に関わらず、コートでは全員が対等なプレーヤーです。

マナーを守ることは、ルールに従うことではなく、ともにこのスポーツをより良くしていくための選択です。

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Pickleball was created to be a fun, competitive, and highly social sport, and since its inception it has embodied an ethic of good sportsmanship that includes respect, fair play, and graciousness in winning and losing.
— USA Pickleball Sportsmanship Guide
JPA 推奨マナーの理念
「ピックルボーラーとしてマナーを守り、誰もが気持ちよくプレーできるようにしましょう
— 一般社団法人日本ピックルボール協会(JPA)
Court Manners

コート内マナー 8つの基本

試合・練習を問わず、コートに立つ全てのプレーヤーが守るべき基本ルールです。

01
挨拶をする
ゲーム開始前に「よろしくお願いします」と声をかけ合います。終了後はネットを挟んでパドルをタップし、お互いの健闘を称えましょう。ダブルスではペア同士でも必ず労い合います。初めて会うプレーヤーには自己紹介するとなお良いでしょう(USA Pickleballガイド推奨)。
開始:「よろしくお願いします」/終了:パドルタップ+「ありがとうございました」「Good game!」
02
ラインコール(セルフジャッジ)
自分のコート側に落ちたボールのコール(イン/アウト)は自分が行います。判断に迷った場合は必ずインとコールしてください。「アウト」のコールは確信がある時のみ。コールは迅速に、時間が経ってからの変更は認められません。手のひらを下に向ける(イン)・人差し指を上に向ける(アウト)のジェスチャーを声と合わせて使うと明確です。
原則:迷ったら相手有利に。勝利のための不正直なジャッジは絶対にしない。
03
スコアコール
サーブを打つ前に必ずスコアを声に出してコールします。ダブルスでは「自チームのスコア − 相手チームのスコア − サーバー番号(1 or 2)」の順。シングルスでは「自分のスコア − 相手のスコア」の順です。スコアコールはサーバーの義務であり、レシーバーにも確認の機会があります。
例(ダブルス):「3-2-1」 = 自チーム3点、相手2点、第1サーバー
04
フットフォルトは自己申告
ノーボレーゾーン(NVZ / キッチン)への踏み込み違反(フットフォルト)は自分で申告するのがマナーです。自分のサービスの踏み込み違反も同様。USA Pickleballガイドでは「フットフォルトに気づいた瞬間に自己申告する」ことを明示しています。審判のいない試合では、誠実さがフェアプレーの基盤です。
NVZに足が触れた、またはノーバウンドで打った直後にNVZに入った場合はフォルトです。
05
ボールオン(Ball on Court)
隣のコートからボールが自コートに入ってきた場合、「ボールオン!」と声をかけてプレーを止めます。逆に自コートから隣に入った場合も同様に呼びかけ、プレーが止まってから取りに行きます。この呼びかけを怠ると転倒・怪我につながる重大な事故の原因になります。
コール方法:「ボールオン!」または「Ball on Court!」と大きく声をかける。ボールが静止してから取りに行く。
06
コートを横切るタイミング
プレー中の隣コートを横切る必要がある場合、必ずポイント間(デッドボール時)を待ちます。プレーヤーが気づいていることを確認してからすばやく通過しましょう。通過の際は軽く会釈するか「すみません」と声をかけるのが礼儀です。プレー中に横切ることはプレーヤーの集中を妨げ、事故の原因にもなります。
急ぎでも、ポイントが終わるまで待つ。1〜2秒の配慮が怪我を防ぐ。
07
ボールの受け渡し
ボールを相手コートに返す際は、相手とアイコンタクトをとってから渡します。近距離なら手渡し、中距離なら軽く転がす、遠距離なら緩やかにバウンドさせる形で。相手に気づかれないままボールを投げることは危険です。また、他コートのボールを自分のボールと交換しないよう注意してください。
アイコンタクト → 相手が準備できたのを確認 → 静かに渡す。強く投げたりヒットして返すのはNG。
08
声量・リアクションへの配慮
プレー中の過度な声や叫び声は相手の集中を妨げます。特に相手がミスをした直後に大きなリアクションをとることは、たとえ故意でなくても相手を不快にさせます。自分の好プレーを小さく喜ぶのはOKですが、相手のミスを喜ぶような態度は厳に慎みましょう。
JPA推奨:「プレー中は大きな声を慎む。特に相手ミスでのポイント獲得時のリアクションに配慮する。」
Sportsmanship

スポーツマンシップ

技術よりも先に身につけたい、コートでの振る舞い方。USA Pickleballおよび国際的なガイドラインをもとにまとめました。

01
相手の好プレーを称賛する
素晴らしいショットやラリーが生まれた時は「Good shot!」「Nice!」と声をかけましょう。相手を称賛することは弱さではなく、スポーツマンとしての強さの証明です。試合の緊張をほぐし、コート全体の雰囲気を良くする効果もあります。
02
喜び方に気をつける
ポイントを取った際の小さなガッツポーズやパドルタップは自然なことです。しかし過剰なパフォーマンス・シャウト・相手への挑発的な態度は厳禁。特に相手のミスで得点した場合は喜びを表に出しすぎないよう配慮しましょう。「自分の好プレーを喜ぶ」と「相手のミスを喜ぶ」には大きな違いがあります。
03
求められていないアドバイスをしない
相手プレーヤーや自分のパートナーに対し、頼まれてもいないアドバイスをすることは避けましょう。どんなに善意であっても、相手は批判と受け取る可能性があります。特に初心者が経験者からの一方的なアドバイスを受けることは、プレーの意欲をそぐことがあります。アドバイスは求められた時だけ、ゲームの外で行いましょう。
04
パドルを投げない・叩きつけない
フラストレーションからパドルを地面に叩きつけたり、投げたりする行為は危険であり、最も早く「評判を落とす」行為のひとつです(PPA Tourガイドより)。パドルは高速で弾む素材でできており、周囲への怪我のリスクが非常に高い。また心理的にも相手やギャラリーを不快にさせます。怒りを感じたら深呼吸して次のポイントに集中しましょう。
05
汚い言葉・品のない言動を使わない
USA Pickleballの行動規範では「プレーヤー・審判・ボランティア・スタッフ・観客全員を敬意をもって扱うこと」を義務としています。悪口・侮辱・差別的な発言・不品な言動は一切認められません。ジュニアや初心者が多くいる環境では特に注意が必要です。
06
上級者は初心者に合わせる
技術差のある対戦では、上級者が意図的に力を加減することが推奨されています。常に弱い箇所を狙い続けたり、圧倒的なパワーで初心者を打ち負かすことは技術の誇示ではなく、スポーツマン精神の欠如を示します。全員が楽しめるゲームを意識しましょう。
07
ネットインやボディヒットは謝る
ネットインのボールや、相手の身体にボールが当たった場合は「すみません」「Sorry」と軽く謝りましょう。意図していなくても謝罪することは、互いへの敬意のあらわれです。JPA推奨マナーにも明記されています。謝罪はポイントをやり直すことを意味しませんが、場の雰囲気を柔らかくします。
08
コールへの異議は紳士的に
ラインコールに疑問がある場合、穏やかに「本当にアウトでしたか?」と確認することはできますが、激しく抗議することは望ましくありません。自分のコート側のコールは自分が行う原則を互いが守ることで公平が保たれます。判定に不満があってもゲームの流れを止めるような議論は避けましょう。
Open Play / Free Court

オープンプレー(フリーコート)のルール

公共コートや施設での「フリープレー」では、全員が公平にコートを使えるよう独自のルールが存在します。日本でも急速に広まりつつある仕組みです。

コート占有時間のルール
待っているプレーヤーがいる場合、連続での独占は最大2〜3ゲームまでが一般的なマナーです。ゲーム終了後は速やかにコートを空け、パドルを列の最後に並べ直しましょう。「1ゲーム11点交代制」など施設ごとのルールがある場合はそれに従います。
スキルレベルへの配慮
技術差のある場合でもスキル・年齢・性別を理由にプレーを断ることは推奨されません。上級者は力を加減し、初心者が安心してプレーできる環境をつくりましょう。「あの人と組みたくない」という雰囲気は、コミュニティ全体の雰囲気を損ないます。
友人グループの配慮
仲間内で4人揃っている場合でも、連続してコートを占有し続けることは他のプレーヤーへの配慮に欠けます。何ゲームか後にはスタッキングに戻り、他のグループにもコートを使う機会を与えましょう。特に混雑時は1〜2ゲームでの交代が推奨されます。
シングルス vs ダブルス
混雑したフリーコートでは4人で使えるダブルスが優先されます。2人でシングルスを行っている際に4人のグループが待っている場合、コートを譲ることが求められます。時間帯によってシングルス専用コートを設けている施設も増えています。
施設・コートルールを確認する
施設によってローテーションルール・使用時間・シューズ規定・音量制限が異なります。初めてのコートでは必ず施設ルールを確認しましょう。地元クラブや施設のコーディネーターに声をかけるのが最も確実です。
Safety First

安全のためのマナー

ピックルボールコートでは複数のゲームが隣接して行われます。安全を最優先するための声かけと行動ルールを確認しましょう。

警告コール
「Care!」(ケア!)の使い方
打球が他のコートのプレーヤーに当たりそうな場合、「Care!」と早めに大きく声をかけます(JPA推奨)。日本語では「危ない!」「気をつけて!」でも構いませんが、「Care!」は国際的に通じる共通コールです。プレーヤーが気づいてから動くことで転倒・衝突事故を防ぎます。
「Care!」「気をつけて!」
推奨行動
プレー前のコート確認
ゲーム開始前に隣コートの状況・床の状態・ボールの散乱がないかを確認します。特に屋内コートでは汗や水でスリップするリスクがあります。異物を発見したら取り除いてからプレーを開始しましょう。
絶対NG
パドルを投げる・叩きつける
怒りやフラストレーションからパドルを投げたり地面に叩きつける行為は最も危険な行動のひとつです。周囲にいるプレーヤー・観客への重大な怪我につながります。USA Pickleballでは大会での一発退場事由に該当します。
注意
ウォームアップとストレッチ
ピックルボールは急な方向転換と素早い反応が必要なスポーツです。プレー前の十分なウォームアップは怪我予防の基本。特にシニアプレーヤーは膝・腰・肩のストレッチを怠らないようにしましょう。
推奨行動
適切なコートシューズの着用
ランニングシューズではなく横方向のサポートがあるコートシューズ(テニスシューズ・バドミントンシューズ等)を着用しましょう。ピックルボールのサイドムーブメントに対応した靴底が足首の捻挫予防に有効です。屋内専用シューズを使用している施設も多くあります。
推奨行動
水分補給とオーバーヒート対策
屋外コートでの夏季プレーでは熱中症に注意が必要です。30分ごとの水分補給などを心がけ、体調に異変を感じたらすぐにプレーを止めましょう。シニアプレーヤーは特に高温時のプレーを控える判断も必要です。
Do's & Don'ts

やること・やらないこと 一覧

コートに立つすべてのプレーヤーへ。迷った時に確認したいチェックリストです。

✓ DO — やるべきこと
ゲームの開始と終了に必ず挨拶をする
ラインコールに迷ったら相手有利(イン)にする
サーブ前に必ずスコアをコールする
NVZフットフォルトに気づいたら自己申告する
「ボールオン!」を声高らかにコールする
相手の好プレーには「Nice!」「Good shot!」と声をかける
ネットインや身体接触は「すみません」と謝る
パドルスタッキングの順番を守る
コートを横切る時はポイント間に素早く
ボールを返す時はアイコンタクトしてから転がす
施設・コートのルールを事前に確認する
危険を感じたら「Care!」と大きく声をかける
✗ DON'T — やってはいけないこと
勝利のために不正直なラインコールをする
相手のミスを大げさに喜ぶ
頼まれてもいないアドバイスをする
パドルを地面に叩きつける・投げる
汚い言葉や侮辱的な発言をする
プレー中のコートを割り込んで横切る
他コートのボールを自分のボールと交換する
コートを長時間独占し続ける
スキル・年齢・性別を理由に特定の人を避ける
コールの異議を激しく抗議し場の雰囲気を壊す
「ボールオン」を無視してプレーを続ける
待機中のプレーヤーを無視してゲームを続ける
Facility Manners

施設・コート環境のマナー

コートの外でも、ピックルボーラーとしての姿勢は問われます。施設と地域コミュニティへの配慮を忘れずに。

ゴミは持ち帰る
ボトル・包装・テーピングのゴミはすべて持ち帰りましょう。コートやベンチ周りは次のプレーヤーのために常に清潔に保ちます。
周辺への騒音に配慮する
屋外コートでは住宅・他施設への騒音も問題になりえます。過度な大声・音楽のスピーカー使用は控えましょう。ピックルボールのボール音自体が周囲に届くことを意識し、早朝・深夜のプレーは特に注意が必要です。
施設ルールを守る
施設ごとにシューズ規定・使用時間・コート利用のルールが存在します。初めての施設では必ずスタッフに確認し、掲示されているルールに従ってください。
コート外からのコーチング
観戦中のギャラリーがプレー中にコーチングや指示を出すことも、プレーヤーの集中を妨げるため望ましくありません。アドバイスはゲーム後にコートの外で行いましょう。
パドルに名前を入れる
同じ場所で複数のパドルが混在する環境では、グリップにイニシャルや名前を書いておくと混乱を防げます。ただしフェイス面やエッジガードへの記入は外観を損なうため避けましょう。
新しいプレーヤーを歓迎する
コミュニティの健全な成長のために、初心者や見学者には積極的に声をかけましょう。「ピックルボールは誰にでも開かれたスポーツ」というメッセージを態度で示すことが、地域のコミュニティを育てます。
マナーについて相談・質問がある方へ
コートでの状況やルールの解釈について迷ったら、よしコーチのLINEで気軽に質問してください。初心者の「これってどうするの?」という疑問を大歓迎しています。
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JPA Official Reference

一般社団法人日本ピックルボール協会
推奨マナー 9箇条

JPAが公式に定める推奨マナーを原文に忠実にまとめました。大会・練習を問わず適用される基準です。

01挨拶の実践
最初と最後に挨拶をする。ゲーム前は「お願いします」と声を掛け合い、終了後はネットを挟んでパドルを合わせて健闘を称える。ダブルスではペア同士でも労う。
02クリーンなセルフジャッジ
正直な判断を心がけ、勝利のためのウソのジャッジは避ける。「判断できないときは、相手に有利なジャッジをします」。判断は迅速に、時間経過後のコールは禁止。
03相手プレーの称賛
素晴らしいプレーが出た時や素晴らしいラリーが続いた時には相手をたたえましょう。相手を尊重する姿勢を大切にする。
04他コートへのボール対応(出た場合)
自コートから他コートにボールが入った場合、「ボールオン」と呼びかけてタイムをとってから取りに行く。
05他コートからのボール処理(入った場合)
他コートから入ってきたボールは「ボールオン」をコールしてプレーをやり直す。
06コート内の安全確保
プレー中、他のコートには入らない。安全を最優先とする。
07スムーズなプレー進行
ポイント間は時間をかけずスムーズにプレーする。不必要な遅延はゲームのリズムを乱し、相手への配慮を欠く。
08エラー時の謝罪
ネットインボールや相手身体への接触時は謝る。誠意ある対応を心がける。
09声量のコントロール
プレー中は大きな声はつつしむ。特に相手ミスでのポイント獲得時のリアクションに配慮する
出典:一般社団法人日本ピックルボール協会(JPA)推奨マナー
※ 上記は JPA 公式サイトの内容を参考にまとめたものです。最新情報は公式サイトをご確認ください。
Next Step

マナーを知ったら、
次はコートへ。

ピックルボールのルール・マナーを覚えたら、あとは実際にプレーするだけです。パドル選びで迷ったら Pickleball Lab がサポートします。