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【2025年版】ピックルボール主要ブランド ランキング|売上・販売数・プロ使用率で徹底比較

よしコーチ
Pickleball Lab 代表
2026年6月24日
読了 約14分
8953字
【2025年版】ピックルボール主要ブランド ランキング|売上・販売数・プロ使用率で徹底比較

「結局、いま一番イケてるピックルボールのブランドってどこなの?」——お店をやっていると、本当によく聞かれます。

よしコーチです。テニスコーチ歴15年、2026年にピックルボールにすっかりハマって、それ以来、国内外のいろんなパドルを試してきました。この質問、実は答えが一つじゃないんです。「売上が一番」のブランドと、「数が一番売れている」ブランドと、「トッププロが一番使っている」ブランドは、全部バラバラだったりします。

そこで今日は、2025年(暦年)の海外データをかき集めて、売上・販売数量・プロ使用率という3つの角度から主要ブランドをランキングしてみました。さらに総合ランキング、ちょっとマニアックな切り口、そして「世界にブランドはいくつあるの?」「テニスブランドって実際どうなの?」という疑問にもお答えします。

先に結論だけ言ってしまうと、総合では Selkirk と JOOLA の2強が頭一つ抜けています。ただ、「あなたに合う1本」がそこにあるとは限らない——その理由も含めて、データで読み解いていきますね。


はじめに:このランキングの前提(正直に書きます)

最初に大事なことを。ピックルボール業界には、ブランド別の売上やシェアを示す"公式な確定統計"は存在しません。 どのブランドも、ピックルボール単体の売上をほとんど公表していないからです。

なので、この記事の数字は、

  • 市場調査会社の推計レポート(複数社)
  • 業界メディア(The Dink、The Kitchen など)の集計
  • Amazon の第三者解析ツールの推定値
  • プロツアー(PPA)の公開された大会結果

これらを突き合わせて、僕なりに序列を組み立てた"推計"です。だから「◯位=確定」ではなく、「複数のデータがこう示している」という読み方をしてください。数字には出典と、僕の確信度(高・中・低)の感覚を添えています。

完璧な統計がないからこそ、複数のデータを突き合わせる意味がある。そこは胸を張って、いってみましょう。


切り口1:売上・市場シェアで見るランキング

結論:ビジネスの規模では Selkirk が首位、JOOLA が2番手。このトップ2は別格です。

まずは王道、「ビジネスとして大きいのはどこか」です。複数の市場調査・業界記事でほぼ一致しているのが、1位 Selkirk(セルカーク)、2位 JOOLA(ヨラ)という序列。

順位 ブランド 出自 ポジション(推計)
1 Selkirk 米国・2014年創業 市場シェア首位。北米で約11%超、グローバルでも最上位とする調査が複数
2 JOOLA 卓球の老舗→PB Ben Johns 擁する2番手。高単価×プロ人気で急拡大
3 Paddletek 米国最古級・2010年 累計100万本超・全て米国製の老舗
4 Onix(Escalade系) 上場企業傘下 公認球 DURA を持つレガシー。流通が広い
5 Engage 米国・2015年 全製品 米国製。複数調査で上位5入り

出典:Global Market Insights、Deep Market Insights(2025年・トップ10推計)、The Dink。市場シェアの絶対値(Selkirk 7〜18%など)は調査会社ごとにブレが大きく、順位の方が信頼できます(確信度:順位=高/シェア%=中)。

注目すべきはこの双璧の中身が対照的なこと。

  • Selkirk は2014年創業のファミリー企業(米国アイダホ)。直近では2026年1月に投資ファンド Bluestone Equity から約45億円規模($30M)を調達し、企業評価額は約300億円($200M)に達しました。2019年比で売上は約+1,900%と公表しており、文句なしの業界リーダーです。
  • JOOLA はもともと卓球の老舗ブランド。世界ランキング1位の Ben Johns と史上初の「生涯契約」を結んだあたりから一気にスター街道を駆け上がりました。2025年にはアンドレ・アガシのブランドとの提携も発表。"勢い"なら一番かもしれません。

僕たちが扱う Engage日本唯一正規代理店)も、複数の市場調査でトップ5の常連です。派手さより堅実、全モデルを米国で作り続けている職人気質のブランドで、データ上もきちんと上位にいる——代理店のひいき目抜きに、これは胸を張れるところです。

💡 よしコーチのポイント 「売上が大きい=あなたに合う1本がある」とは限りません。大きいブランドはラインナップが広いぶん、初心者向けから競技用まで揃っている、という読み方が正解です。


切り口2:販売数量(数が出ている)ランキング

結論:「金額で売れる」ブランドと「数で売れる」ブランドは、まるで別物です。

次は「金額」ではなく「本数」。ここが面白いんですよ。

参考になるのが、2025年の Amazon(米国)のパドル販売データ。第三者解析の推計では、年間 約687,000本/約66億円規模($44M)が売れ、本数は前年比+38%、金額は+55%。つまり「1本あたりの単価が上がった=高いパドルも売れるようになった」年でした。

ブランド別の推計(Amazon内・あくまで推定値)はこうなります。

観点 代表ブランド ひとこと
本数で勝つ 格安2本セット、Selkirk、Niupipo $20〜50台のセットが数のボリュームゾーン
単価で勝つ JOOLA Ben Johns シグネチャー等の高単価モデルが牽引

具体的には、Amazon内で Selkirk が約87,000本(数のトップ級)JOOLA が約45,000本。本数はSelkirkがJOOLAの約2倍なのに、売上額はほぼ互角。「数で勝つSelkirk、単価で勝つJOOLA」という構図がきれいに出ています。

そして見逃せないのが、Amazonで"本数"だけ数えると、上位は名前も知らない格安2本セットだらけという事実。プロが使うような高級パドルは、本数ランキングには出てきません。さらにこの数字には Costco や Walmart、専門店、ブランド直販は含まれないので、実際の数量はもっと量販・初心者寄りだと考えられます。

💡 よしコーチのポイント 「一番売れている=一番いい」ではないんですよね。数で一番売れているのは、入門者向けの安価なセット。これは悪いことじゃなくて、それだけ新しく始める人が増えているという、業界が元気な証拠です。


コートでプレーする様子と複数ブランドのパドルを並べたイメージ。販売数量とプロ使用の違いを表す中盤のビジュアル

切り口3:トッププロ使用率ランキング

結論:JOOLA が断トツ首位。上位3ブランドだけで全メダルの約7割を占めます。

「プロが使っているブランド」——これが一番ロマンがありますよね。ここでめちゃくちゃ参考になるのが、2025年 PPAツアー(全17大会)で、どのブランドのパドルがメダルを獲ったかの集計です。

順位 ブランド 2025年 獲得メダル 契約プロ数
1 JOOLA 121 20
2 Paddletek 83 5
3 Franklin 76 5
4 Selkirk 32 4
5 Proton 29 9
6 PIKKL 28 2
7 ProXR 14 3
8位〜 Six Zero・CRBN・Engage・HEAD ほか 各1〜4 各1〜2

出典:The Kitchen(2025年 PPAツアー全17大会・約408メダルの集計)。確信度:高。

読み解くと、

  • JOOLA が1社で全メダルの約3割を独占。契約プロ20人・メダル121個は文句なしの断トツ首位。男女のスターを揃えた強さです。
  • 上位3ブランド(JOOLA・Paddletek・Franklin)だけで、全メダルの約7割。プロの世界は、ごく少数のブランドに集中しています。
  • Paddletek はわずか5契約でメダル83個。少数精鋭の効率が異常に高い。ただし看板だった女子1位 Anna Leigh Waters は2026年に Franklin へ移籍しました(プロのパドル契約は毎年けっこう動きます)。

そして2026年シーズンに入ると、移籍で勢力図が少し動きます。Franklin が Anna Leigh Waters を獲得して女子で急浮上、僕たちの扱う Engage も、PPAで活躍するプロ Eric Oncins(X2を使用)を2026年に迎えました。Six Zero正規代理店)も Gabriel Joseph ら契約選手を増やしています。EngageもSix Zeroも、メダル数でいえば1〜数個の"通好み"枠ですが、トップシーンにちゃんと名前が出ているブランドです。

💡 よしコーチのポイント プロのパドルには「契約(スポンサー)」と「実際の中身」が違うケースもあります(市販品よりザラつきを強めた特注表面など)。モデル名をそのまま真似るより、なぜそれを選ぶかの"考え方"を真似るのがおすすめです。詳しくはプロが使うパドルの傾向で解説しています。


総合ランキング:3つの指標を統合してみた

結論:総合1位は Selkirk、2位 JOOLA。3位以降は老舗と新世代の競演です。

では、3つの切り口を合わせると総合では? ここは完全に僕の独自評価です。重みづけはこうしました。

  • 売上・市場シェア:40%(ビジネスの規模・ラインナップの広さ)
  • トッププロ使用:35%(性能の証明・憧れ・話題性)
  • 販売数量・普及度:25%(一般プレーヤーへの浸透)

この基準で、各ブランドを ◎(強い)・○(中)・△(弱い/限定的)で評価し、並べたのが下の表です。

総合 ブランド 売上・シェア プロ使用 普及・数量 ひとこと
1 Selkirk 全方位に強い王者。資本も入り盤石
2 JOOLA プロ人気と勢いは断トツ。実質1位とも
3 Paddletek 少数精鋭でプロ実績。米国最古級
4 Franklin 公式球+量販+2026にALW獲得
5 Engage 米国製の実力派。調査で上位5常連
6 Onix 上場企業傘下の安定感。公認球 DURA
7 CRBN 新興の筆頭。DTCで急成長
8 Six Zero 豪州発の新世代。コスパと話題性
9 ProKennex 台湾発の老舗。体に優しい設計が独自
10 Gearbox 一体成型の技術派。プレミアム志向

1位は Selkirk、2位 JOOLA。このトップ2は本当に僅差で、「規模・安定」を採れば Selkirk、「勢い・プロ人気」を採れば JOOLA、という感じです。3位以降は、老舗の地力(Paddletek・Engage・Onix)と、新世代の勢い(CRBN・Six Zero)がせめぎ合う構図。

ちなみに Engage と Six Zero は当店の取扱ブランドですが、この順位は第三者の市場調査・PPAの公開データに基づいた評価です。代理店だから上げた、わけではありません(むしろEngageのプロ使用は△と正直につけています)。データが「上位にいる」と言っているから、上位にいる。それだけです。


マニアックな切り口ランキング

ここからは、数字を眺めていて「お、これ面白い」と思った変化球の切り口を。お店の雑談ネタにどうぞ。

その1:プロ"効率"ランキング(契約1人あたりのメダル数)

契約プロの人数で、獲得メダルを割ってみると、「少ない人数でどれだけ勝ったか」が見えます。

  • Paddletek:83 ÷ 5 = 約16.6(最強効率)
  • Franklin:76 ÷ 5 = 約15.2
  • PIKKL:28 ÷ 2 = 14.0
  • JOOLA:121 ÷ 20 = 約6.1(人数で押す物量型)

JOOLAは"物量"、Paddletekは"一騎当千"。同じ強豪でもキャラが違うのが分かります。

その2:Made in USA ランキング(国産という希少性)

世界のパドルは約7割が中国製と言われます(業界の一般認識・正確な統計ではありません)。そんな中、「Made in USA」を掲げるブランドは12社前後しかない、という調査があります(The Dink, 2025)。その中に Engage・Paddletek・Selkirk が名を連ねています。国産・品質管理のこだわりは、数で見ると明確な少数派=希少なんですね。製造国でパドルの何が変わるかは、Made in USA vs 中国製パドルで詳しく書きました。

その3:ジャイアントキラー(コスパ)ランキング

大手の半額近い価格で、生カーボンなどの本格スペックを出して評価を上げている"挑戦者"たち。Vatic Pro・Six Zero・11Six24 あたりが代表格です。自社EC(DTC)中心で、広告より口コミで伸びているのが共通点。価格破壊が業界全体を面白くしています。

その4:出自が意外すぎるランキング

ブランドの"前職"を知ると、ちょっと笑えます。

  • JOOLA=もともと卓球の老舗
  • ProKennex=台湾発、テニス/ラケットボールの老舗
  • Gearbox=ラケットボール出身
  • Franklin=なんと野球グローブの大手(1946年創業)

異業種から来たブランドが、それぞれの技術を持ち込んでいる。これがピックルボール業界の若さと面白さです。

その5:マネーが動いたランキング

2025〜2026年は「お金」のニュースが目立ちました。Selkirk が約300億円評価で資金調達JOOLA がアガシのブランドと提携、そしてプロツアー側では、PPA・MLPを束ねる新親会社「Pickleball Inc.」に、Apollo系の Apollo Sports Capital が約340億円($225M)を投資。ブランド単体だけでなく、業界全体に大資本が流れ込んでいる——これが直近の一番大きな地殻変動かもしれません。


補足1:世界にブランドはいくつあるの?

「ピックルボールのパドルブランドって、世界にいくつくらいあるの?」——これ、正確な集計は存在しないのですが、手がかりはあります。

  • USA Pickleball の公式承認パドルリストには、5,000を超えるモデルが登録されています(2026年時点)。
  • 承認に登録されたメーカー数は約900社にのぼるという調査も(ただし8割以上は数モデルしか出していない極小メーカー)。
  • 実際に市場で競い合っている"確立ブランド"は150以上、というのが業界の体感値。
  • しかも勢いが異常で、2024年の1年だけで新規パドル1,225本・新規メーカー476社が登録されたというデータも。

つまり「数百〜1,000近いブランドがひしめき、毎年数百社が新規参入している」のが実態。なぜこんなに増えるかというと、競技人口の爆発が背景です。米国のプレー人口は2021年(約480万人)から2025年(2,430万人)へ約5倍に増えました(SFIA)。SFIAは4年連続で全米最成長スポーツと認定しています。市場が伸びているから、みんな参入する。当然ですよね。

数字の出典:USA Pickleball 承認パドルDB、The Dink、SFIA、Pickleheads。確信度:承認モデル数=高/ブランド総数=中(公式集計なし)。


補足2:テニスブランドって、実際どうなの?

Wilson、HEAD、Babolat、Yonex……テニスの大手も続々とパドルを出しています。「ブランド力があるんだから、強いんじゃないの?」と思いますよね。ところが——データを見ると、ピックルボール業界での存在感はかなり限定的なんです。

  • 2025年 PPAツアーのメダル:テニス大手で表に出たのは HEAD のわずか2個だけ。Wilson・Babolat・Yonex・Dunlop・Prince はメダル表に名前すらありません。トッププロはほぼ専業ブランドを選んでいます。
  • 2026年6月発表の「AI可視性インデックス」(PR会社 5W が、生成AIが購入検討者に薦めるブランドを集計)では、トップ10は Selkirk・JOOLA・Paddletek・Engage・CRBN・Six Zero・ProKennex・Vatic・Gearbox・Diadem。小売流通では強いはずの Wilson・Babolat が、まさかのトップ15圏外でした。

なぜ後発のテニス大手が苦戦するのか。専門メディアは「専業ブランドが売上の15〜20%を研究開発に投じているのに対し、テニス大手はPBに"片手間(dabbling)"でしか取り組んでいない」と評しています。テニスラケットの技術や名前を流用しただけでは、PB専用に作り込まれたパドルに性能で及ばない、というわけです。

では、なぜテニス大手はそれでも参入するのか。理由ははっきりしています。テニスのユース層(6〜17歳)は減少傾向にあり(USTAの2025年調査では3年で約14%減)、全米のテニスコートの一部がピックルボールに転用されているとも言われます。一方でPB市場は2030年代に向けて年率15%前後で成長中。しかもPBファンの68%はテニスファンでもある(Nielsen, 2025)ので、既存顧客にそのまま売れる。"祖業の停滞をPBで補う"のは、経営として自然な判断なんです。

ただし——参入と成功は別物。少なくとも2025〜2026年の時点では、ブランド力だけでは専業勢の壁を越えられていない、というのが結論です。例外的に、テニス由来でもPBに本気投資している Diadem はAI可視性トップ10入りしており、日本トップ選手の船水雄太選手とも契約しています。"本気度"が分かれ目なんですね。


まとめ

長くなったので、ぎゅっとまとめます。

  • 売上・シェア:1位 Selkirk、2位 JOOLA のトップ2が別格。Engage も上位5常連
  • 販売数量:本数王は格安2本セット&Selkirk初心者セット。金額王はJOOLAの高単価モデル。「数」と「金額」は別物
  • プロ使用率:JOOLA が1社で全メダルの約3割と断トツ。上位3ブランドで約7割を独占
  • 総合:1位 Selkirk・2位 JOOLA。3位以降は老舗(Paddletek・Engage・Onix)と新世代(CRBN・Six Zero)の競演
  • 業界全体:世界に数百〜1,000近いブランド、毎年数百社が新規参入。中国製が約7割でMade in USAは希少
  • テニスブランド:ブランド力はあるが、PBでは後発・存在感は限定的。本気投資の Diadem が例外

そして一番お伝えしたいのは、「ランキング上位=あなたの正解」ではないということ。大事なのは、自分のプレースタイルと予算に合う1本を選ぶこと。ブランドの全体像が分かったら、次は中身です。選び方の軸はパドルの選び方 完全ガイドで、2大人気ブランドの比較はEngage vs Six Zeroでじっくり解説しています。

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References

  1. SFIA|U.S. Pickleball Participation(競技人口)
  2. The Dink|Amazon Pickleball Paddle Sales Up 55% in 2025
  3. The Dink|Selkirk Raises $30M at $200M Valuation
  4. The Kitchen|Which paddle brands won the most on the PPA Tour in 2025
  5. The Kitchen|What paddles are pro players using (2026)
  6. Grand View Research|Pickleball Apparel & Equipment Market
  7. Global Market Insights|Pickleball Equipment Market
  8. PR Newswire|5W Pickleball AI Visibility Index(2026)
  9. USA Pickleball|Equipment / Approved Paddles
  10. USTA|2025 Tennis Participation Report
  11. Nielsen|Serving success: tennis, padel and pickleball(2025)
Author
よしコーチ / Pickleball Lab 代表
元スキー世界大会出場選手・現役テニスコーチ。2026年LAでピックルボールと出会い、国内外100本以上のパドルを試打。Engage Pickleball唯一の日本正規代理店(2026年5月時点)。
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