パドル・ギアレビュー

STIGA(スティガ)ってどんなブランド?卓球の名門が挑む六角形パドル

よしコーチ
Pickleball Lab 代表
2026年7月6日
読了 約5分
3422字
STIGA(スティガ)ってどんなブランド?卓球の名門が挑む六角形パドル

「STIGA(スティガ)って、卓球のブランドですよね? ピックルボールもやってるんですか?」——先日、お店でそう聞かれました。鋭い。まさにそこが、このブランドを理解する入口なんです。

よしコーチです。テニス歴15年、2026年にピックルボールに出会って以来、いろんなブランドを試してきました。STIGAは、卓球の世界では知らない人がいないレベルの名門。そのブランドがピックルボールに出してきた「六角形のパドル」が、なかなか面白いんです。ただ、面白さと実力は別の話。このブランドの良いところと、正直に言って物足りないかな、、、と感じるところ、両方お伝えします。


STIGAは「卓球の名門」

STIGAは、1934年にスウェーデンで生まれた卓球ブランドです。卓球のラケットやラバーでは「1944年以来の世界的リーダー」を名乗るほどの老舗で、世界中のトッププレーヤーに使われてきました。この分野での信頼と実績は、本物です。

ピックルボールへの参入は、ここ2〜3年のこと。卓球では超がつく名門でも、ピックルボールでは新参者——この二面性が、STIGAというブランドを見るときの大前提になります。

💡 よしコーチのポイント 僕も調べていて分かったのですが、芝刈り機などで見かける「Stiga」ブランドは、歴史的に関係はあるものの現在は別系統(イタリアの園芸グループ)です。ピックルボールを手がけているのは、卓球由来のスウェーデン系「STIGA Sports」のほう。混同しやすいので、豆知識として。


立ち位置:市場では、まだ「傍流」

正直にお話しします。ピックルボール市場でのSTIGAは、はっきり傍流(マイナー)です。

市場を主導しているのは Selkirk・JOOLA・Paddletek といったアメリカ系のブランドで、各種のブランドランキングやシェア調査に、STIGAの名前はほとんど出てきません(【2025年版】ブランドランキングを見ても、上位には入ってこないブランドです)。価格帯はエントリー〜ミドル。同社にとってピックルボールは、卓球やパデルに次ぐ「サイドライン事業」という位置づけに見えます。

だから「みんなが使っているから」という理由でSTIGAを選ぶ人は、まずいません。STIGAを選ぶいちばんの理由は、次に話す「あの形」——六角形のCybershapeです。


こだわり:六角形「Cybershape」という発明

STIGA最大の武器が、六角形フェイスの Cybershape(サイバーシェイプ) です。

もともとは卓球の技術。2021年、当時10代だったスウェーデンの選手が六角形のラケットで世界卓球の決勝まで勝ち上がり、この形が世界的に注目されました。その成功をピックルボールに横展開したのがCybershapeパドルです。ストックホルムの王立工科大学(KTH)と共同開発したと公表しています。

丸みのある一般的な形をあえて六角形にすることで、スイートスポットを広げ、しかも高い位置・外側に配置したというのが売り。ネット際の難しい角度の球にも届きやすい、という発想です。フェイス素材はカーボン、コアは16mm厚のハニカム。この六角形モデルの正式名は 「Aviox Cybershape Carbon Pro」 です。六角形のCybershapeが最大の看板ですが、STIGAには AIM・AMP・ADD といった伝統的な形状のモデルも揃っていて、尖った形が苦手な人の受け皿もちゃんとあります。形の変わり種としては、なかなか筋の通った設計だと思います(変わり種パドルは特殊形状 大全でまとめて紹介しています)。


STIGAの六角形パドル「Aviox Cybershape Carbon Pro」のフェイス。スイートスポットを広く・高い位置に取るCybershape形状がよく分かる公式画像

どんな人に刺さる?

STIGAが向いているのは、こんな人だと思います。

  • 卓球経験者や、卓球ブランドへの信頼・愛着がある人
  • 大きなスイートスポットで、安定して当てたい初〜中級者
  • 人とかぶらない、個性的な形のパドルを使いたい
  • スウェーデン設計・老舗というブランドストーリーに惹かれる人

ちなみにこの六角形、登場したころは SNSでかなりバズった"話題の形" でもあります。ルーツになった卓球版のCybershapeは、当時10代の選手がこれ一本で世界大会の決勝まで勝ち上がったことで一気に注目を集め、初回入荷が記録的な速さで完売したほど。「あの変わった形、実物どうなの?」と会話のきっかけになるパドルなんですね。人と同じが嫌な人や、仲間内で"ネタ"になる一本がほしい人にとっては、これも立派な刺さる理由だと思います。

逆に、スピンやパワーで一発を狙う競技志向の上級者には、少し物足りないかもしれません。その理由を、次に書きます。


気になる弱点:モデルで評価が割れる

ここが一番大事なところ。海外のレビューを読むと、STIGAはモデルによって評価がけっこう割れます。都合の悪い話も隠さず書きますね。

  • パワーやスピンが控えめなモデルもある:コントロール寄りのモデルでは「もう少しパワーが欲しい」「表面のザラつきがスピンにそこまで効かない」という声が見られます。ザラつきの強い生カーボン系が主流の今、スピンで押すプレーには不利な場面も。
  • 芯を外すとシビア:「スイートスポットが広い」とうたう一方で、「芯を外すと球が伸びない」というテスターの指摘もあります。
  • 一方で高評価のモデルも:たとえばAviox Carbon Nomexは「攻めのネット武器」と評されるなど、パワー系で高い評価を得ているモデルもあり、ブランド全体をひと括りにはできません。
  • トップシーンでの裏付けが薄い:STIGAが力を入れているのは卓球やパデルの選手で、PPAツアーやMLPのような世界の第一線で戦う著名な契約プロはいません(スウェーデンには同社と組む上位選手もいますが、トッププロの実績で性能を証明する段階には至っていません)。看板選手がいないのは、地味に効いてきます。

💡 よしコーチのポイント 誤解しないでほしいのですが、「悪いパドル」という話ではありません。主要モデルはUSA Pickleball公認で、公式戦にも使えます。ただ、"どのモデルも尖った強みでグイグイ押す"タイプではなく、モデルによって評価が分かれる——というのが今の市場での実像。僕としては、形の面白さや卓球ブランドの安心感にピンとくるなら十分アリ、スピンやパワーで一発を狙いたいなら他も見てから、という見解です。


まとめ:僕なりの結論

STIGAは、性能で市場を引っ張るタイプのブランドではありません。でも、六角形Cybershapeという個性と、卓球の名門ならではの安心感は、ほかにはない魅力です。僕が思うに、これは"スペックで選ぶ"より"このブランドと形が好きだから使う"パドル。刺さる人には、ちゃんと刺さります。

当店でもSTIGAの正規品を扱っています(新品・100%本物)。ブランドの成り立ちやモデルごとの違いは、STIGA(スティガ)ブランドページにまとめました。形の面白さに惹かれた方も、まずはパドルの選び方 完全ガイドで自分の軸を確認してから選ぶと、後悔しにくいですよ。ほかのブランドと横並びで見たい方は主要ブランドまるわかり比較へどうぞ。

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References

  1. STIGA 公式 — Cybershape Pickleball
  2. STIGA 公式 — Pickleball Paddles
  3. STIGA Sports Japan(日本公式)
  4. USA Pickleball — Equipment Standards Overview
Author
よしコーチ / Pickleball Lab 代表
元スキー世界大会出場選手・現役テニスコーチ。2026年LAでピックルボールと出会い、国内外100本以上のパドルを試打。Engage Pickleball唯一の日本正規代理店(2026年5月時点)。
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